我が里に
私のいる明日香の里に大雪が降った
お前のいる大原の古びた里に降るのは もっと後になるだろう
我が岡の
そこに散りけん
この里の龍神に頼んで降らせた雪のかけらが
そちらへ散ったのでしょう
我が
さ
私の愛しい人が大和へ行くのを見送っていると
夜も更け やがて明け方の露に濡れるまで 私は立ち尽くしてしまった
二人
いかにか君が ひとり越ゆらん
二人で行ってさえ越え難い秋山を
どのようにして あなたは一人で越えているのだろう
ま
もし幸いにも無事でいられたなら また帰りに見ることもあるだろう
家にいたならば 器に盛り神に手向ける飯を
草を枕とする旅の今は
広大で神聖なる大空を見上げると
天皇の御命は天空に満ち足りている
何しか
神風の吹く伊勢の国にいればよかったものを
何故来てしまったのだろう あなたもいないというのに
見まく
何しか
会いたいと思うあなたもいないというのに
何故来てしまったのだろう 馬が疲れるだけなのに
うつそみの 人なる
明日よりは
現世の人である私は
明日から 二上山を私の弟として見ようか





















